てんかん 一生の病か、単なる症状か?  レイのサクセス・ストーリー

現在のレイ 体操競技会での素晴らしい演技で 表彰台に立ちました

妊娠中の超音波検査で羊水が少ないことがわかりました。
20時間の陣痛ののち帝王切開となりましたが、生まれてきたレイには、ご両親の気にかかることはとくにありませんでした。
最初医師たちは、赤ちゃんは少し血色が悪く、反応が鈍いと感じましたが、入院するほどではないと判断しました。

赤ちゃんは家に帰ってきました

1歳までは正常に発達しているように見えました。
1歳6か月で保育園に入りましたが、動きがとてもぎこちなく、体調が悪そうに見えました。
ある日ご両親が迎えに行った帰り道で、レイは初めての発作を起こしました。
脳波検査では異常が見られました。
  その後1年間、発作をなくすために抗けいれん剤が処方されましたが、発作は周期的に起こっていました。
この時点でてんかんと診断されました。
レイのように持続的に発作がある場合には、たいがいこの診断名がつけられます。
それから1年後、発作は起こらなくなりましたが、抗けいれん剤の服用は続きました。
2年後には、再び発作が始まりました。
以前とは異なる薬が処方され、服用量も変更されましたが、発作は続きました。薬では発作が止まらず、薬にはリスクや副作用があることから、レイの状態を改善するために脳の手術が提案されました。
しかし手術をすれば治るという保証はなく、手術には危険が伴います。
ご両親は脳外科の専門医に相談しました。レイの病気の経緯を検討したミハイ・ディマンチェスク医師の所見は次のようなものでした。 「手術には、出血、感染症、麻痺、言語障害などのリスクが考えられる。
さらに、その後数年は薬剤の服用が必要になると思われる。
手術を考える前に、現時点での唯一の手段として、脳の発達のためのプログラムを始めることを勧める。
人間能力開発研究所プログラムは、脳の正常でない部分の周囲の機能を向上させるものである。」 ご両親は、手術をしないと決めました。

発作は日常的なものでした

レイが6歳になったとき、ご両親は薬剤や手術に頼らずに問題を解決できる道を探し始めました。

そして人間能力開発研究所のプログラムをおこなっているある家族と出会い、その家族から「あなたの脳障害児になにをしたらよいか」コースをぜひ受講して、もっと知識を得るようにとアドバイスを受けました。

コース修了後、ご両親はレイを連れて研究所を訪れ、スタッフによる機能評価を受け、レイの現状に合わせた家庭でおこなうプログラムが作成されました。
脳全体の状態を向上させるための、広範囲にわたるプログラムでした。
なかでも生理面のプログラムは最優先にするべきものでした。
脳が必要とする栄養を摂取し、脳が機能を発揮するのを妨げる要素を取り除くためのプログラムです。
ご両親は、レイの脳が正しく機能するように、何を食べさせ、何を避けるべきか、細かく指導を受けました。

プログラムのなかでも、酸素量強化のプログラムはもっとも慎重におこなうべきものです。
これは酸素不足が発作の原因となりうるレイにとって、欠くことのできないプログラムでした。

脳の発達を促すための、腹ばいと高ばいによる運動プログラムも始めました。
レイはとても賢い子だったので、読みのスピードを上げるためのプログラムが作成されました。
速く読めれば、それだけ理解も深くなります。
レイ自身が楽しく読めるものを選ぶことが重要でした。
スタッフもご両親も、レイが知性面ではあらゆる点で確実に年齢レベル以上の力をつけることを願いました。

書くことも大好きになりました

体調はとても改善しました。
プログラム開始後5か月で、発作を起こさなくなりました。
日を追って状態は良くなり、体調も安定してきたので、人間能力開発研究所は、細心の注意を払いながらごく少量ずつ薬剤の除去を進めていくことを提案しました。
薬剤除去のプログラムが始まり、服用量を半分まで減らしていますが、レイは1年4か月間発作を起こしていません。
その間健康にはなんの問題もなく、一度も病気にかかりませんでした。
しっかりと体力を保ち、良好な状態が続いていることが、新鮮で健康に良い食材による食生活と、毎日の運動プログラムによって支えられているのは間違いありません。プログラムを始めてからほぼ2年が経ちました。
知性面ではすばらしい能力を発揮しています。
読みは2学年上のレベルの本を読んでいます。
書くことも上手で、友人や家族に手紙をたくさん書いています。脳へ送る酸素量を増やすランニングは、脳の機能を向上させるには効果的で自然な方法です。
レイは有酸素運動のランニングとして、毎日5キロ走っています。
42分で走ります。
スピードとスタミナは素晴らしく、先日1キロのレースに参加して、4分43秒で完走しました。

レースを終えたレイ 研究所のTシャツを誇らしげに見せています

独りで自転車に乗れるようにもなりました。
プールの端から端までを泳ぐこともできます。
ブレキエーションのプログラムも毎日おこなっていて、ノンストップで10回往復を上手にこなします。
ブレキエーションは視覚と手の機能の向上に大いに役立ちます。
毎日ブレキエーションをすることで書くことが上手になったので、書くことにも積極的になりました。

ブレキエーションは胸囲、視覚、手の機能の 発達に効果がありました

レイはプログラムを始めてから大きく前進しました。
発作に妨げられる日々を送ってきた子どもは、現在あらゆる面で元気な毎日を送っています。 脳に障害がある場合、発作という症状が現れることは珍しくありません。
ただ、いつ起こるかの予想がつかず、見ていられないほど激しい発作もよくあります。
レイの場合のように脳の障害が軽度、中度の場合でも、重度、最重度の脳障害でも発作が起こりえます。
いずれの場合も、発作は症状であって、一生つきまとう病気ではありません。脳が完全に機能し、生理面の状態が改善すれば、発作は減っていきます。レイのプログラムは、脳が完全に機能し成熟することを目的としたものです。
脳が成熟してきて、生理面の状態がよくなると、発作は減少します。
現在8歳のレイは、脳の成熟というゴールにどんどん近づいています。
目指すのは「発作が起こらないようにすること」ではなく、「脳を成熟させること」です。
より自然な形での解決策を求めたご両親の決定は正しかったのです。
解決策を見つけたご両親は、息子がその可能性を花開かせるのに必要なことは何でもしようと決心して、熱心にプログラムに取り組みました。

先日の陸上競技に参加しました 隣にいるのは、タイム誌で世界に影響を与えた 100人の一人に選ばれた カタールのプリンセスです

レイの近況

お父さんがレイの近況を報告してくれました。
運動のプログラムとしては、横向き、後ろ向き、握り棒の一本飛ばし、ツイストといった技を使ってブレキエーション梯子をしています。
一人で自転車に乗り、歩いたり、走ったりして6キロを54分で完走できます。
運動能力はかなり優秀で、同年代ではトップクラスです。
レイは体育以外AとBの成績で、すばらしい学校生活を送りました。
(体育がCだったのは、先生の言うことをちゃんと聞かなかったからでした。)
正式に4年生を修了しました。

レイが4年生を修了したこと、弟が生まれたことを聞き、研究所のスタッフはみなとても喜んでいます。
おめでとう、レイ!
脳の発達を促すための刺激と機会を与える環境に弟がいられるように、レイは今お手伝いをする立場にいるのです。
これから先レイの前に越えるべきたくさんのハードルが現れるでしょう。
そして前向きに、楽しみながらチャレンジしていくでしょう。

人間能力開発研究所の理事でもあるミーハイ・ディマンチェスク医師に、子どもの発作についてインタビューしました。

発作をおこす子どもに親ができること パート1 (言語は英語)